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2012.07.21

解雇④ 整理解雇

整理解雇 トモノ社労士事務所 www.tomono-sr.com/

夏は仕事中でも基本ポロシャツの、社労士のトモノです。

さて今回は「整理解雇」を取り上げます。

整理解雇とは、企業が経営上必要とされる人員削減のために行う解雇のことです。
整理解雇は「普通解雇」の一種であるため、「解雇回避努力」は当然に必須要件となりますが、過去の判例からそれ以外の3つの条件が必要となります。→普通解雇はコチラで復習を!
それがいわゆる「整理解雇の4要件(要素)」というもので、今回最も大切なところです。

ではその4つの条件を順番にみていきましょう。

①人員削減の必要性
人員削減措置が、不況や経営不振などによる企業の縮小や整備、合理化計画に基づいて行われることが必要です。そのような必要性がない場合は、解雇権の濫用で解雇無効となります。

②解雇回避努力
解雇回避努力としては、配転・経費削減・時短・ワークシェア・営業努力・採用しない・休業・出向・賃金カット・希望退職を募る・退職勧奨などです。
このような解雇回避努力をせずいきなり解雇した場合、間違いなく解雇権の濫用で解雇無効となります。

③人選の妥当性
誰を解雇にするかの人選については、客観的で合理的な基準を設定した上で公正に行う必要があります。
基準を全く設定しないで解雇した場合は、恐らく解雇権の濫用で無効となる可能性があります。

④手続きの妥当性
会社は、整理解雇の必要性や人選の基準、解雇の時期・規模・方法について社員へ説明を行い、誠意をもって社員と協議する信義則上の義務を負います。

この4要件の中で最も重要なのは②でしょう。
どれだけ誠意をもって解雇回避努力を尽くしたか、最後はこれに尽きます。


また昨今は「4要件」ではなく「4要素」と呼ばれるようになってきました。
それは近年までの判例では、4つの条件全てを満たした場合にのみ整理解雇が有効とされてきましたが、昨今は厳しい経済状況ということで、4つの条件を総合的にみて判断されるようになってきました。
例えある1つの条件を満たしていなくても、全体でみて合理性があれば解雇が認められるということです。

時代により、解雇に対する判断基準や考え方が変わるんですね。おもしろい。


ということで整理解雇でした。
繰り返しますが、会社は解雇回避努力せずにいきなり解雇するようなことは絶対にしないように!
ではまた。
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Posted at 22:17 | 解雇 | COM(0) | TB(0) |
2012.05.19

解雇③ 解雇予告除外認定制度

解雇③ 解雇予告除外認定制度 トモノ社労士事務所 www.tomono-sr.com/

メモリー不足のせいか自作パソコンの調子がイマイチの、社労士のトモノです。

労働者を即時解雇(当日解雇すること、明日から来なくていいっていうヤツ)する場合、労基法の定めによれば「30日分の解雇予告手当(平均賃金)」を支払わなくてはいけません。前回やりましたよね。
例えば横領をした労働者に対しても、原則支払う必要があるのです。ん~何だか納得いきませんよね…

実はこのようなケースでは、一定の条件を満たせば解雇予告手当を支払わなくても即時解雇できるという、労基法上の例外規定があるんです。
それが今回取り上げる解雇第三弾「解雇予告除外認定制度」です。せっかくある制度なのに、正直あまり知られていません。

まず復習ですが、その主な例外規定が3つありました。(詳しくはコチラを)
そのうち次の2つについては、所轄する労働基準監督署長の認定を受けた場合は、予告手当なしで即時解雇できます。
①天災地変その他やむを得ない事由により事業継続が不可能となった場合
②労働者の責任による理由により解雇した場合


今回はこのうち②について解説します。

さて、ここで1つの疑問が生じます。
解雇理由には、多かれ少なかれ「労働者に責任」があるのが常ですよね。(労働者に全く責任がないのは…例えば経営上の理由による「整理解雇」くらい?)
とするとほとんどの解雇が②に該当するのではないかということです。

でも実際は多くが該当しません。労働者に「重責」がある場合に限らているんです。
では具体的にどのような場合でしょうか。そのヒントは以下の「通達」にあります。非常に重要な通達です。

①刑法犯
極めて軽微なものでも、使用者が予め不祥事の防止について諸種の手段を講じていたことが客観的に認められ、しかもなお労働者が継続的に又は断続的に行った場合。
事業場外での刑法犯であっても、それが著しく事業場の名誉や信用を失墜するもの、取引関係に悪影響を与えるもの、労使間の信頼関係を喪失させるもの。

②職場規律違反
賭博や風紀紊乱などで職場規律を乱し、他の労働者に悪影響を及ぼす場合。
これらの行為が事業場以外で行われた場合でも、それが著しく事業場の名誉や信用を失墜するもの、取引関係に悪影響を与えるもの、労使間の信頼関係を喪失させるもの。

③経歴詐称
採用条件となる経歴を詐称した場合。

④兼職
二重就労した場合。

⑤無断欠勤
原則2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合。

⑥出退勤不良
出勤常ならず数回にわたり注意を受けても改めない場合。


ちなみにこれは「例示列挙」です。これら以外にも該当するケースは十分考えられます。


では実際にどのように労基署長の認定を受けるのか、その流れを説明します。
①一定の書式にて所轄する労基署へ届出する。その場合、証拠資料をできるだけ添付する。
書式は労基署(労働局)のHPからダウンロードできる。電子申請も可能だが、申請内容の性質から労基署へ届出した方がいい。
②届出が受理されれば、労基署は認定の是非を判断する。
この間、対象労働者は労基署へ出頭するよう促され、労基署は本人に事実確認を行う(電話による場合もあり)。
従って、対象労働者にはその旨伝えておくと事がスムーズに運ぶ。
③届出から約1~2週間後、労基署は認定の是非について書面にて会社へ通知する。
④認定されれば、使用者はすぐに対象労働者に対し予告手当なしで即時解雇する。
認定されなければ、使用者は解雇予告し解雇する。即時解雇するなら30日分の予告手当を支払うことになり、30日後に解雇するなら予告手当は不要。
労基署の認定がされなくても、解雇の有効性については影響はないので、その旨も労働者へ説明しておくこと。
説明しておかないと「認定なし=解雇無効」と労働者が勘違いする可能性あり。(労基署の認定の対象はあくまでも解雇予告除外申請についてのみ。解雇自体の有効性について認定するわけではない)

ここでちょっと裏ワザ。
労基署の認定が下りるまで、前述のとおり約1~2週間かかるため、その間対象労働者を在籍させることになります。
それが嫌だという方は次の方法があります。
①先に30日前に解雇予告しておく。
②その後すぐに労基署へ解雇予告除外認定の申請をする。
③認定が下りると同時に即時解雇する。(当然、予告手当不要)
 認定されなくても①で予告した日に解雇できる。


解雇予告除外認定制度、上手に活用しましょう!
では。
Posted at 14:14 | 解雇 | COM(0) | TB(0) |
2012.05.12

解雇② 解雇予告手当

解雇② 解雇予告手当 トモノ社労士事務所 www.tomono-sr.com/

蕎麦よりうどん派の、社労士のトモノです。

今回は解雇第二弾「解雇予告手当」(以下「予告手当」)です。
「1ヶ月分の賃金を払えば解雇できる」って思っていませんか?それって大間違いなんです。

そもそも解雇する場合は、前回取り上げたように次の点に注意が必要です。
・懲戒解雇の場合は「懲戒処分のルール」を厳守しているか
・普通解雇の場合は「解雇回避努力」を尽くしたか
・両者とも「客観的な合理的理由」と「社会通念上の相当性」(常識的に考えいきすぎでないこと)があるか

これらを欠く場合は「解雇権の濫用」で解雇無効となる恐れがあります。

それらを踏まえた上で、その次のステップ(解雇の手順)として「予告手当」という概念が出てくるのです。
合理的な解雇理由も特段なく、予告手当さえ払えば解雇できるというわけではありません。(冷静に考えれば当然ですが)
今回1番お伝えしたい点です。


さて、そもそも予告手当とはどういったものでしょうか。
労基法には次のように定められています。
・解雇する場合は、少なくとも30日前に予告(「○○日付けで解雇する」と通知)する
・30日前に予告しない場合は、30日分以上の平均賃金(予告手当)を支払うこと
・予告の日数は、予告手当を支払った日数分短縮できる
 
 ※平均賃金についてはコチラで復習を!

具体的に解説します。
例えば6月30日付けで解雇するとします。
この場合の30日前は5月31日です。この日までに予告すれば予告手当は不要です。
では6月1日に予告した場合は? 30日前という条件に1日不足(29日前)ですので、1日分の予告手当を支払えばOKです。
では6月29日に予告した場合は? 29日分の予告手当を支払えばOKです。
では6月30日当日に予告した場合は?(これを「即時解雇」という) もうお分かりですよね、30日分の予告手当を支払えばOKです。
ちなみに、いつ予告するかは原則使用者側の自由裁量です。

なぜこのような「仕組み」があるかというと、平たくいえば、解雇される労働者が生活の立て直し(再就職活動)ができるよう、せめて1ヶ月分の生活給を保障しなさいということです。
この背景には憲法の「生存権」の考え方があります。


但し次の場合は、労基法により予告手当は不要です。
①採用後14日以内かつ試用期間中である労働者を解雇する場合
②天災事変その他やむを得ない理由で事業継続が不可能な場合
③労働者に責任がある理由により解雇する場合


①は、試用期間中であっても前述のように「客観的に合理的理由」等が必要なのは言うまでもありません。
 ※試用期間についてはコチラで復習を!
②と③は、その理由について所轄の労働基準監督署長の認定が必要です。特に③については後日取り上げます。



更にいくつか補足説明。
予告手当はいつ支払えばよいのでしょうか?
それは予告と同時に支払わなくてはいけません。
但し金額は最初概算で払っていおいて、後日清算してもOKです。

では労働者が予告手当の受領を拒否した場合は?
例えば内容証明などで労働者宅へ送金すればOKです。(相手に到達したとみなされる)
但し放っておけばトラブルに発展する可能性があるため、よく説明することが大切です。

解雇予告の方法は?
口頭でも構いませんが、書面で交付することをお勧めします。
書面には「解雇する日付け」と「解雇理由」を記載します。
更に、労働者が同意した旨を証明するため署名捺印させると後々トラブルを防止できます。


といことで非常に勘違いされる予告手当でした。
ではまた!
Posted at 10:15 | 解雇 | COM(0) | TB(0) |
2012.05.06

解雇① 懲戒解雇と普通解雇

解雇① 懲戒解雇と普通解雇 トモノ社労士事務所 www.tomono-sr.com/

古い洋画が好きな、社労士のトモノです。

今回からいよいよ「解雇」を取り上げます。
もっとも労使トラブルに発展しやすく、また誤解されることが多いテーマです。
今回はまず手始めに「解雇の種類」について解説します。
解雇と言っても大きく2種類あります。「懲戒解雇」と「普通解雇」です。


まず懲戒解雇からです。
懲戒解雇は懲戒処分ですので、前々回取り上げた「懲戒処分のルール」の考え方がそのまま適用されます。
「①就業規則の規定(懲戒解雇することがある旨とその理由) ②言い分を聴く ③行為と処分のバランス ④二重処分の禁止」でしたよね。
これらに反する場合は、懲戒権(解雇権)の濫用で解雇無効となる可能性が高くなります。

一般的にどんな場合に懲戒解雇になるかと言うと…
・横領した
・傷害事件を起こした
・重大な背信行為をした
・会社の重要な情報を漏えいした
・採否にかかわる虚偽で
・会社の信用を大きく失墜させる行為をした
・いくつかの違反行為を繰り返した場合


では次に普通解雇についてです。
普通解雇とは、懲戒解雇以外の「正当な理由」のある解雇のことです。「いたしかたのない解雇」とも言えるでしょう。
懲戒処分ではありませんので、前述の「懲戒処分のルール」(の考え方)は適用されません。
しかし使用者として「解雇回避努力を尽くしたか」は必ず問われます。非常に重要なポイントです。
例えば能力不足であれば再教育する、配置転換するなどする必要があります。
健康状態が悪ければ、休業させる、配置転換するなどです。
普通解雇の有効性は、どれだけ解雇回避努力をしたかによると言っていいでしょう。

一般的にどんな場合に普通解雇になるかと言うと…
・正常な業務遂行が困難なほどの能力不足
・業務に支障をきたすほどの健康状態
・勤務成績が非常に悪い(整理解雇)場合
・経営上の理由 などです。


では両者の相違点について、更に踏み込んでみてみましょう。

①懲戒解雇は「不法行為」、普通解雇は「債務不履行」から発生
懲戒解雇は、社内規定違反や背信行為、企業秩序違反行為等が対象です。民法の「不法行為」として捉えると分かりやすいでしょう。
不法行為とは「故意又は過失により、相手の利益や権利を侵害すること」です。
一方、普通解雇は民法の「債務不履行」として捉えると分かりやすいでしょう。例えば能力不足や健康状態が悪いことによって、正常な業務提供(債務)ができない(不履行)ということですから。

②懲戒解雇は限定列挙、普通解雇は例示列挙
懲戒解雇は、就業規則に規定されている解雇事由でのみ解雇できるという考え方が通説です。規定されていない理由による懲戒解雇は原則できません。これを「限定列挙(説)」といいます。
懲戒処分である限り、懲戒事由と懲戒処分は予め厳格に明確にしておかなければいけないという刑法の「罪刑法定主義」という考え方にのっとっています。
一方で普通解雇は、就業規則に解雇事由が規定されていなくても解雇できるというのが通説です。
就業規則に規定されている普通解雇事由はあくまで例示的なもの、という考え方です。
これを「例示列挙(説)」といいます。

懲戒解雇にせよ普通解雇にせよ、就業規則の解雇事由に「その他前各号に準ずる場合」といった規定をしておけば足りるでしょう。

③懲戒解雇は解雇理由を後付けできない、普通解雇は後付けできる
懲戒解雇は懲戒処分ですので、罪刑法定主義の考えから、後から解雇理由を追加することは認められません。
一方、普通解雇は解雇理由の後付けが認められます。これは以外と知られていません。

④懲戒解雇事由であっても普通解雇で処分できる、その逆はダメ
なぜなら労働者にとってペナルティである懲戒解雇より普通解雇の方が「軽い」処分だからです。軽くする分には一向に構いません。
但し普通解雇相当の事由を懲戒解雇として処分することは認められません。

⑤懲戒解雇は退職金なし、普通解雇は退職金あり
これは各会社の退職金規程によりけりです。一般的に上記のように規定されています。
但しいくら規定されていても、懲戒解雇により退職金全額を不支給とすることは、過去の裁判例をみても厳しいかもしれません。
判例では「過去の長年の功労を無にする程の背信性がない場合」は、退職金は(一部でも)支給しなくてはならないとされています。    

⑥経歴への影響
ペナルティである懲戒解雇と正当な理由がある普通解雇では経歴・職歴への影響が違ってくると言われています。
しかしこれにはいささかクエスチョンです。第三者からみれば「解雇は解雇」とみる可能性もあるからです。


では次に両者の共通点についてみてみます。

①合理的な理由を欠き、社会通念上相当でない場合は解雇無効となる
これは労働契約法に規定されています。「社会通念上の相当性」というのは、平たく言えば「一般常識的に考えていきすぎでない」ということです。
これらを欠くと、懲戒解雇にせよ普通解雇にせよ解雇権濫用で解雇無効となる可能性が高くなります。

②解雇の手続きは原則同じ
解雇する場合は30日前までに予告するか、30日に不足する分の解雇予告手当を支払う必要があります。詳細は後日取り上げます。


最後に今回最もお伝えしたいことを復唱します。
・懲戒解雇は「懲戒処分のルール」を厳守すること
・普通解雇は「解雇回避努力」を尽くすこと
・両者とも「合理的理由」と「社会通念上の相当性」が必要
・懲戒解雇と普通解雇は似て非なるもの


ではまた!
Posted at 20:17 | 解雇 | COM(0) | TB(0) |
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