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2012.03.25

就業規則② モデル就業規則のワナ

モデル就業規則のワナ トモノ社労士事務所 www.tomono-sr.com/

先日、特定社会保険労務士の合格通知が届き若干浮かれ気味の、社労士のトモノです。

さて、今回は前回に引き続いて就業規則を取り上げます。
ずばり「モデル就業規則のワナ」です。モデル就業規則がいかに危険かについて解説します。

モデル就業規則とは、その名の通り就業規則の「ひな形」のことです。
今やインターネットで検索すれば簡単に入手できます。その類の書籍もたくさん売っています(ご丁寧にデータCD付きのものもあったり)。或いは顧問税理士からもらったりと。
それらを基に自社の労働条件に合うように変更、「はい出来上がり!」ってやつです。
非常に手軽に安価で作れてしまうため、思わず飛びつく会社も多いのです。

でもそれって、非常に危険なことなんです。

そもそも労働者寄りに作成されている(現状の労働条件とのミスマッチ)
モデル就業規則の労働条件が、個々の労働契約よりも労働者にとって有利な内容であれば、就業規則の内容が強制適用されます。( 「労働規則の優劣」でやりましたね!)
例えば、平成22年に労基法が一部変更され「月の残業が60時間を超えた部分については、割増率150%」となりましたが、最近のモデル就業規則には平気で規定されています
実際の残業代を125%で支払っている場合、差額の25%を未払い賃金として請求されてしまいます!そうなったら完全に会社の負けです。
「150%割増」は一部の大企業やそれに準ずる企業に適用されるものであって、現在は中小企業には適用されません

労働法上、義務である規定なのか、義務でない規定なのか判別できない。
⇒後日就業規則の内容を変更したくても、その判断ができない。
例えば「休職制度」はほぼ全てのモデル就業規則に規定されているようですが、労働法上、何ら義務ではありません
「休職」を復習しましょう)

懲戒についての規定が乏しい。
懲戒処分は、「懲戒の種類」と「懲戒理由」が就業規則に規定されていないとできません
モデル就業規則の下で強引に懲戒処分しようとすれば、労使トラブルへ発展する可能性が大きくなります。

その他については、当事務所HP「就業規則の罠」を参考にしてみて下さい。
厚生労働省の最新モデル就業規則に、思い切り「ダメ出し」していますから^^


さて、ちょっと難しい言い方になりますが就業規則には「法規範性」といって、「就業規則の内容に合理性があれば、そこで働く従業員に当然に適用される」という見解(学説)があります。就業規則には「法的効果」が及ぶということです。
ですから、例え簡易・安易に作成した就業規則であっても、それは一種の「法律」として歩き始めるのです!

責任持てますか?

そのような点からも、就業規則はそもそも素人が手を出すシロモノではありません。労働法や判例等に精通した社労士に作成依頼するのがベスト。
ちゃんとした就業規則を1つ作成しておけば(その時はそれなりの出費になりますが)、その後はずっと安心です。


ではまた!
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Posted at 21:20 | 就業規則 | COM(0) | TB(0) |
2012.03.18

就業規則① 就業規則の効力

就業規則① 就業規則の効力 トモノ社労士事務所 www.tomono-sr.com/

花粉症が始まり出した、社労士のトモノです。

さていよいよ「就業規則」です。
今回は、就業規則の基本とその効力について解説したいと思います。

まず就業規則の基本からです。
労基法では就業規則に関して、主に次のようなことが定められています。

①作成義務
 従業員が常時10名以上いる事業場ごとに作成する義務があります。
 常時10名というのは、正社員もパートも含めた人数です。
 単位は事業場(ごく平たく言えば事業場の場所ごと)です。
 ちなみに「賃金規程」「再雇用規程」「育児介護休業規程」等、別規程も就業規則です。
 これらの諸規程を作成・変更する場合も同様です。

②絶対的必要記載事項
 下記については、絶対に定めなくてはいけません。
 始業・終業時刻、休憩時間、休日、休暇、交替制の就業時転換、
 賃金(賃金の決定・計算・支払方法・締日・支払日)、昇給、退職、解雇事由

③相対的必要記載事項
 会社として下記について決まりがあれば、定めなくてはいけません。
 退職手当、臨時の賃金、最賃、労働者に食費や作業用品等を負担させること、
 安全衛生、職業訓練、災害補償、業務外傷病扶助、表彰、懲戒、
 その他全労働者に適用すること
  
④作成・変更の手続き
 都度、労働者代表(従業員の過半数で組織する労組があれば労組)
 の意見を聴取し、所轄労基署へ意見書と一緒に届出義務があります。
 意見は何だってOK。「異議あり」でもいいんです。
 (正直、あまり意見書の意味って無いかも…)

⑤周知方法
 労基法では、常時事業場の見やすい場所へ掲示する・備え付ける、書面を交付、
 パソコンなどで誰でも閲覧できる状態にする、という方法が認められています。


次に就業規則の効力についてです。実は今回最もお伝えしたいところ。

例えば、周知はしているけど、意見聴取・届出していない就業規則って有効?
逆に意見聴取や届出はしているけど、周知していない就業規則って有効?
意見聴取も届出も周知もしていない就業規則って有効?

結論から言えば、効力を得るには「周知」は必要ということです。(当然と言えば当然ですが…)
周知していないが故に就業規則が無効とされた判例や、逆に意見聴取や届出はしていないが周知していたから有効とされた判例があります。
更に労働契約法によれば、就業規則による労働条件の不利益変更(前回やりましたね)をする場合は、「変更に関する合理的理由」と「従業員への周知」が要件となっています。

しかし、ちゃんと周知していない会社が多いのが現状です。
なぜでしょう?それは次のような理由が考えられます。
・就業規則を形式的にしか捉えていない(とりあえずあればいいという認識)
・就業規則の内容に自信がない(モデル就業規則などはその典型)
・従業員に見られたらまずいことが載っている

後日取り上げますが、懲戒処分する場合は就業規則にその懲戒の種類や理由の定めが必要です。
周知していないがために、その処分が無効とされることも否定できません。
正直、前述の労基法上の周知方法では乏しい感が否めません。
実務的には、経営陣が従業員へちゃんと内容説明することが大切です。

そのためにはちゃんとした就業規則を作成する必要があります。
ちゃんとした就業規則とは、モデル就業規則などに頼らない、会社の実情を反映した、かつ経営者がちゃんと理解している(経営陣の口からしっかりと説明できる)就業規則のことです。
モデル就業規則の「怖さ」については、後日取り上げる予定です。
※ちなみに当事務所では、従業員へ配布するための「ダイジェスト版」を作成し事業主の方へお渡ししています。
また、場合によっては社員説明会もやっています。

もちろん「意見聴取し、労基署へ届け、周知する」この3つを実行することが1番です。
面倒からずにやりましょう。無用なトラブルを防ぐためにも。


あと最後にもう1つ、就業規則の効力で大切なことが。
それは、就業規則の内容が上位規則である労基法や労働協約に反しないことです。
これは「労働規則の優劣」でやりました。大事なところです。是非復習を。


ではまた!
Posted at 21:01 | 就業規則 | COM(0) | TB(0) |
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